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Twitterデータのイノベーションコンテスト:Twitter賞チーム編

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金曜日, 2020年6月5日金曜日

Twitterでは開発者のイノベーション活動とアイデア創発を応援しています。Twitterデータを未知の分野で活用する可能性を模索するため、イノベーションコンテストを開催しています。

NECさんは、NTTデータさんとTwitter Japanの協力のもと2020年1月に分析コンテストを社内開催しました。参加者は、提示されたTwitterデータを分析し、そこから導き出したビジネスアイデアの競争を競うタスクに挑戦。

一次選考を通過したファイナリスト5組による最終プレゼンが行われ、最終審査の結果、「最優秀賞」1組、審査員特別賞として「Twitter賞」「NTTデータ賞」各1組が選出されました。

今回は、Twitter賞を受賞したチームに、アイデアの概要やその着想、評価のポイントを聞きました。

Twitter賞チーム:

NECソリューションイノベータ デジタルソリューション事業部 第二グループAIサービスグループ 廣澤 一輝氏、飯田 伸也氏

受賞チームのご紹介

Twitter賞を受賞したチームは、「NEC the WISE」と呼ばれる最先端AI技術のうち「RAPID機械学習」というディープラーニングや画像解析技術を用いた分析を行っています。他には、異種混合学習」を用いた需要予測で、回帰分析や時系列分析との組み合わせ、高度で幅広いデータ活用ソリューションをお客様に提案されています。ちなみに、NECさんの独自技術だけなく、そのほかのOSSなどを用いた分析の実施や、「NECアカデミー for AI」などデータ分析系研修の講師として活動されています。

受賞したアイデア

  • 国際イベントの開催にともなう課題の解決。具体的な課題は、訪日外国人の増加による鉄道駅の混雑を解決する方法。
  • 背景として、訪日外国人にとって日本の鉄道は複雑で、乗り換えが難しいという意見が多い。
  • したがって、イベント会場の最寄り駅に着くまでに経由する駅について、データ分析によって乗り換えの困難度を事前に示せれば、重点的に案内係や案内板を配置することができ、混雑の解消、ひいては経済損失の解消につながると考えた。
  • その乗り換えが困難な駅を分析する材料の1つとして、Twitterデータを利用したのが今回の分析。

Twitterデータを活用したソリューションのイメージ

  • Twitter賞を獲得したビジネスアイデアの概要。乗り換えが複雑で訪日外国人が迷う可能性が高い駅を導き出すことで、適切な案内係や案内板の配置を計画し、混雑や経済損失の解消を目指す。

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Twitter賞受賞のポイント

  • Twitterデータに集約されている顧客の声をビジネス課題、分析課題と紐づけた:Twitter上でつぶやかれている乗客の乗り換えに関する声を、擬似調査データとして活用する発想を考案。具体的には、鉄道の乗り換え困難駅を推定し、国際イベント開催時における鉄道各社の対策立案を支援するビジネスアイデアを提出。
  • Twitterデータ(テキスト)と複数のデータソースを工夫して活用:Twitterデータやオープンデータの分析からリソースの最適化を実現するため、Twitterデータ(テキスト)と従来の量的データを組み合わせた。特に、ビジネスに展開できる分析を実施するため、Twitterデータ以外の利用できるオープンデータを探して、それらを分析用に加工し活用。Twitterデータだけでは足りない具体的な混雑状況や駅の乗り換え情報などを補うことで、ビジネス業務に意味のある分析結果を導き出した。
  • Twitterデータを追加することで生まれる付加価値の試算の提示:期間限定のイベントを前提に、リソースの最適化案を具現化した場合の経済効果の可能性を明示。Twitterデータを含めることで可能になる新たなデータ分析の期待効果について、ビジネスユーザ向けに具体的でリアリティのある数字を試算できていた。

インタビューを通しての感想

コンテストに参加されたご苦労話をお聞きできる大変貴重な機会でした。特に、印象的だったのは、インタビューを通して、NECさんで培われている「新しい発想」の「創発」と「具現化」を大切にする企業風土を教えていただきました。

具体的には、応募締切直前までアイデアが生まれず、ほぼ応募を見送る方向性だったこと。そして、同僚や先輩から生みの苦しみを打開するべく励まされ、今回のアイデアを思いつかれたようです。締切直前であったにもかかわらず、結果としてチームワークで素早く連携しデータ収集と分析を実施されました。ご苦労されたにも関わらず、さらに高度なTwitterデータの分析にご興味をお持ちいただけていることなど、大変意欲的な活動方針を実践されています。今後の更なるご活躍に期待しております。

Twitterデータの応用

コンテストでは、過去データをご利用いただいておりました。受賞チームの皆さんには、Twitterデータを市場調査データとしてご活用いただきました。Twitterデータを利用するベネフィットをお聞きすると、大半は「リアルタイム」に起きている会話を手軽に取得できることと、Twitter利用者の本音、反応、フィードバックも取得できることがあげられました。

理由としては、Twitterデータは、顧客行動(属性、意見、好み)の調査やフォーカスグループインタビューなど市場調査データの代替データとして使えるといいます。受賞チームも駅の混雑や乗り換えの困難について人々ほ本音についての洞察を得るためにご活用いただきました。

従来の市場調査を実施する場合、防ぎようのない課題に直面することがよくあります。例えば、市場調査では、調査の実施から結果が出るまでに時間がかかるため、市場の動向をリアルタイムで捉えてアクションすることが難しいです。また、市場調査のジレンマとして、インタビューや調査に回答する人々が必ずしも本音を回答するとは限らないことがわかっています。やっかいなことに、本音を聞けないことで発生する誤差は調査結果の精度に如実に現れてしまいます。

Twitterデータを活用すると、リアルタイムに人々の動向を把握することができます。さらにリアルタイム性を考慮しながら全量データで分析することで、Twitterデータの価値は多様化し高まります。今回の乗り換えの混雑を解決する方法についても、リアルタイムにモニタリングを実施するアイデアを追加することで、新しいソリューションが見つかるかもしれません。

今後も、ぜひNEC開発者の皆さんにご活躍いただけるよう、関係者と連携を強化しながらサービス内容を充実してまいります。

Twitter賞チームへのインタビューの詳細は以下をご覧ください。

第三回:記事の総括:https://jpn.nec.com/nec-academy/article/20200526.html

担当者の紹介

後藤 和枝(ごとうかずえ)

  • Data and Enterprise Solutionチームに所属。Twitterデータの日本のパートナー事業をリード
  • ITサービス系プロフェッショナサービスおよび研究開発での予測分析のコンサルタント、ビックデータアナリティクスのスペシャリストを経て現職
  • ビジネス分析の専攻にて経営修士(M.B.A.)を取得(Southern New Hampshire University, U.S.A.)
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