1つのツイートから生まれたストーリー #Jan25

投稿者
木曜日, 2011年2月17日木曜日

(本記事は Twitter がホストする Hope140.org に投稿された記事の日本語訳です)

エジプトの才覚ある若い世代は、深い決意とテクノロジーを持って、彼らの声を広く届けようとしています。

今週、私たちは21歳のエジプト人の学生、@alya1989262 と話す機会を持ちました。彼女は、#Jan25 というハッシュタグを最初にツイートしたユーザーでもあります。
ツイートの内容は、「1万6千人以上のエジプト国民が1月25日にストリートに集結します。ぜひ参加を! #jan25 #egypt #tunisia #revolution」という決起を呼びかけるツイートでした。

これから紹介するのは、ここ数週間に彼女が、そしてその他の若者達がどのようにソーシャルメディアを利用したのかという彼女のストーリーです。テクノロジーが一定の役割を果たす中で、エジプト人の皆さんによる信念を貫くための命がけの活動は、とても大きなインパクトがあります。

私はもうすぐ22歳になります。5歳まではフランスに住み、その後はエジプトに住んでいます。約2年ほど前に Twitter に登録しましたが、頻繁に利用し始めたのはここ7、8ヶ月ほどです。

抗議運動が盛んになるたびに、エジプトでは Facebook が繰り返しブロックされるという事実もあり、Twitter は抗議者にとっては非常に重要なツールとなっています。
私たちは Twitter を活用して、抗議運動や決起大会などのキャンペーンを実施しており、その中でもハッシュタグはとても有効に活用されています。140文字以内のコメントと共にニュースを素早く効率的に共有でき、その後、不特定多数の見知らぬ人との会話を継続することも重要と考えています。

しかし、より重要なポイントは、 Twitter によって警察による残虐行為や活動家の逮捕情報、最新の留意点などの草の根の情報を拡散することが可能なことです。
ある活動家グループはスマートフォンで武装し、抗議運動をリアルタイムでツイート中継しています (例えば抗議運動での合唱内容などをツイートする人がいます。なぜなら、それは時として面白かったり、興味深かったりするので)。

組織という観点では、Facebook が主なメディアツールとなっています。そしてTwitter のトレンド機能は、私たちの活動が世界でどのように受け取られているのかを推し量るのに役立っています (多くのユーザーはトレンド設定として米国の特定地域を指定していることは存じ上げていますが、私のトレンド設定は「世界」としています)。私たちの声を届け、エジプト以外の国の人に何が起こっているのかを伝えることはとても重要です。特に、先週の携帯電話回線やインターネットが遮断されていた状態の中、このことは重要だったと思います。

もう一つ言及すべきことは、最近、政府がソーシャルメディアを活用しようと試みていることです。しかも、痛々しいほどぎこちない方法で (これは驚くべきことではないですが)。私は、数回ツイートしただけで5人以上のフォロワーも持たないアカウントを目にしてきました。それらのツイートの内容は、抗議運動が国の安定化にどれほど悪影響か、いかに大統領が偉大か、などです。そして、アカウントは違ったとしても、いつも全く同じ内容のツイートなのです。しかし、ほとんどのプロパガンダは、国営TVを通じて行われ、若い世代のインターネット活動と比べると、その内容は平均的なエジプト市民にとっては残念ながら説得力のあるものです。しかし、現在、私たちはソーシャルメディアを使ってプロパガンダに対抗しようと計画しています。プロパガンダでは、抗議者を暴力だと決めつけ、青年を混乱させ、諸外国勢力を自国への危害だとして国民の目を欺けようとしています。私たちはTV報道されている内容を信じている人々と対話をする必要があります。そして、そのための最良の方法はソーシャルメディアを利用することで、私たちの議論を冷静で論理的な方法で表現することです。

長年に渡って政権政党は、エジプトでの政争を世俗主義の国家民主党とムスリム同胞団との政争だと表現してきました。そして、精神的指導者の不在によりエジプトの左翼派は完全に社会の主流から取り残されてきました。そんな中、私たちは国家民主党に対して反乱を指導するような精神的指導者の登場を待ち望んでいました。しかし、1月14日のチュニジアでの出来事は、強力なリーダーシップや結束した組織がなかったとしても、反乱を起こし独裁政権を倒すことが可能だ、ということを私たちに示してくれました。1月14日は、私たちが1月25日を信じ始めた日でした。

チュニジア革命は、ベンアリ前大統領の逃亡が報じられるまで、既存メディアではほとんど報道されませんでした。しかし、#tunisia、#sidibouzid といったハッシュタグによって私たちは状況の経過を追うことができたので、既存メディアに依存せずに最新情報を追うことができました。このことは、私たち一人一人が持つ力によって世の中を変えることが可能だ、というさらなる確信を与えてくれたと思います。