TwitterとTVの視聴行動の相関関係とは: ビデオリサーチ社のレポートより

火曜日, 2015年5月19日火曜日

「Twitterと視聴率に相関があるのか」「ツイートを増やすと視聴率が上がるのか」は、テレビ業界関係者の皆様がよく議論されているトピックです。ビデオリサーチさんは、テレビとTwitterの関連を指標化した「Twitter TV エコー」データの分析結果から、ツイートと視聴率の相関関係を見出し、Twitterデータの有用性を確認したレポートを発表されました。

このレポートによると、4つの大きな注目ポイントがありました。

  1. 投稿よりもインプレッションにおいて、視聴率と強い相関関係あり


    ユーザーが番組に関するツイートを大量にツイートするあまり、同じフォロワーがツイートを見ているだけでインプレッションユーザー数(タイムラインに番組に関するツイートが表示された人の数)そのものは増えてないというような傾向が、熱心なアニメファンや実況ツイートを行うユーザーで見られることがあります。「Twitter TV エコー」で初めて算出可能になったインプレッションユーザー数を分析することで、視聴率との関係性がはっきりと見えてきました。ツイートの投稿数ではなく、インプレッションという拡散結果を用いることで視聴率という視聴行動との関係性が見出せました。


    TwitterとTVの視聴行動の相関関係とは: ビデオリサーチ社のレポートより
  2. 高齢層より若年層で、視聴率とツイートは高い相関関係

    
視聴率とインプレッションユーザー数の相関関係を算出すると、世帯視聴率の単相関係数と個人視聴率との相関を比較すると、若年層(特に女性層)でより高い関係性がみられました。


    TwitterとTVの視聴行動の相関関係とは: ビデオリサーチ社のレポートより
  3. 若年層×音楽 / 映画 / ドラマバラエティにおいて特に強い相関関係

    
音楽、映画、ドラマ、バラエティのジャンルにおいて、特に49歳以下の層で番組視聴率とツイートインプレッションユーザー数に強い相関関係が見いだされました。「仲間や同僚と同じ番組を視聴し、話題に乗り遅れず盛り上がりたい」という若者独特の傾向がこの結果を生み出しているのかもしれません。


    TwitterとTVの視聴行動の相関関係とは: ビデオリサーチ社のレポートより
  4. プライム帯のバラエティ番組の上位25%の番組が10週で0.7%の視聴率上昇の傾向


    昨年秋クールの番組からインプレッションユーザー数上位25%の番組の週単位の視聴率時系列推移の近似直線の傾きを分析したところ、10週で0.7%という上昇傾向を示しました。


    TwitterとTVの視聴行動の相関関係とは: ビデオリサーチ社のレポートより

ビデオリサーチ社は、この調査の結果、Twitterが直接的な番組視聴の誘引を起こすことが確認できたわけではないものの、視聴者の視聴行動を推測するには十分なデータであると結論付けています。レポートはこちらからご覧いただけます。