動画をリツイートする人々の行動の変化

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水曜日, 2016年11月2日水曜日

様々な業種のマーケティング活動で動画を見る機会が多くなったと思われることはありませんか?動画は情報を多く伝えることができ、利用者の興味を引きやすいということもあります。Twitter上にも多くの種類の動画があり、利用者の方々は動画の感想をツイートしたり、リツイートして共有していらっしゃいます。

今回は、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ ソーシャルビジネス推進室 @nttdata_nazuki の協力のもと、Jリーグのファンの方を対象に、「 #JリーグとTwitter 」というテーマで、動画をリツイートするとどのような行動に繋がる傾向にあるかを調べました。その結果、動画は楽しむだけのものではなく、視聴した後に「人々が行動するきっかけにもなる」ということがわかりました。

動画視聴が呼び起こす行動とは

動画をリツイートする人々の行動の変化

Jリーグ各チームのアカウントをフォローしている人のうち、スカパー!Jリーグ @sptv_jleague の動画をリツイートしたことがある人たちについて、「観戦ツイート(観戦や視聴など、実際に試合を見たコメントがあるかどうか)」数を調べたところ、動画をリツイートした方々は、リツイートの前14日間に対して、その後14日間で、9%増えていました。つまり、リツイートすると、リツイートする前よりも観戦したくなっていた、ということがわかりました。

動画をリツイートする人々の行動の変化

またJリーグ関連の動画を含むツイートのうち、世代別でリツイートが多かった動画ツイートのジャンルも調べました。Jリーグ公式アカウント @J_League の動画では、若年層とシニア層ともに選手特集と試合実況が多く、やや若年層の方がポイントが高いことがわかりました。記録や選手のプレー内容などの統計数値を比較しながら観戦を楽しむ様子が想像できます。また、シニア層では試合結果、試合前PRとJリーグイベントが多く、試合だけでなく試合前後にも好きなチームに対する能動的な参加意欲がある可能性が高いようです。

スカパー!Jリーグ @sptv_jleague の動画では、ゴール映像、ベストゴールとハイライトといった動画の人気が高く、試合を決定づける瞬間を今直ぐ知りたいというファンの欲求が強く垣間見れます。

潜在ファンを取り込むために、何ができるのか?

一方で、Jリーグには興味があるけれども、まだクラブの公式アカウントなどをフォローしていない、いわゆる「潜在ファン」もいます。

ここでは、Jリーグに関する何かしらのツイートしたことがあるけれども、クラブ公式アカウントをフォローしていない人たちを「潜在ファン」と定義し、どのような動画マーケティングができそうか洞察を紹介しました。

動画をリツイートする人々の行動の変化

既存ファンと潜在ファンではどんなアカウントがリツイートされるのでしょうか。上記グラフでは、既存ファンは当然のように各チーム公式やサッカー選手個人のアカウントをリツイートしている一方、潜在ファンは一般人や芸能人、著名人といった「第三者」を通じてJリーグの話題をリツイートしているようです。潜在ファンへのアプローチは直接的な働きかけだけではなく、潜在ファンが日常で触れる人々を介してコミュニケーション設計することもよいかもしれません。

動画をリツイートする人々の行動の変化

話題別では、既存ファンは上記の通り試合や選手自体に注目しています。潜在ファンの間ではその他の話題が一番の人気です。これは潜在ファンが、選手のオフの姿や様々な社会活動などサッカーの試合とは直接関係の無い文脈に興味を抱いている可能性があります。このように、試合外でのチームや選手の話題を喚起することにファン化のヒントが隠されているかもしれません。潜在ファンに少しでもサッカーというキーワードに触れることでファンになってもらえれば、Jリーグの動画の視聴や最終的には観戦に繋がる、ということも考えられます。

#JリーグとTwitter の調査を通して、既存ファンの動画視聴の様子や潜在ファンの行動パターンがある程度見えてきました。マーケターの皆さんは、ここから得られるヒントを活かして、動画に関するツイートを工夫されてみてはいかがでしょうか。