#インフルエンサーQA : 広告代理店の皆さんへ直接取材

投稿者
火曜日, 2016年7月19日火曜日

より多くの方に、Twitterがどのように企業のマーケティングに活用されているかを知ってもらえるよう、企業のみなさんの声を伺うシリーズ #インフルエンサーQA を連載しています。Twitter活用の効果のほか、担当者ならではの悩みや面白さを中心にお話を伺いたいと思います。4回目となる今回は、株式会社トーチライトさんにお話を伺いました。

Twitter上のオーディエンスの意図をくみ取り、マーケティングファネルを縦横無尽に捉える思考法

#インフルエンサーQA : 広告代理店の皆さんへ直接取材

今回は株式会社トーチライト、マーケティング ディレクターのコレチス マリオスさん(左)、Sherpa事業部 / プロダクトマネージャーの三原 敬太さん(右)にお話を聞きました。

Q.トーチライトについて教えてください。
三原さん:2011年、ソーシャルメディア広告というものが認知されだした頃から、ソーシャルメディア広告事業を中心に事業を行ってきました。その後、蓄積してきたソーシャルメディア広告の専門的知見を活かし、ソーシャルメディア広告配信プラットフォーム「Sherpa(シェルパ)」を自社開発し、他の広告代理店様に提供しています。それにより、アドテクノロジーの会社としても認知されてきたと思います。

現在はインターネット広告事業を中心に、お客様のデジタルコミュニケーションを支援するDACのグループの一員として、様々なナショナルクライアントやグローバルブランドのキャンペーンを運用しています。それらの実績やノウハウを積み重ねることにより、「ブランド認知」をマーケティング目的としているキャンペーンの運用が弊社の強みです。

マリオスさん:今後は、マーケティングファネルのトップレイヤーだけでなくコンバージョンまで網羅するようにしていきます。TwitterのAds APIで公開される最新機能を活用し、お客様のマーケティングファネル全体をサポートすることは弊社の戦略の一つです。

Q. 「Sherpa(シェルパ)」とTwitter広告ついて教えてください
三原さん:Sherpaの開発において最も重要なことの一つに、「最適なオーディエンスをどう探し出せるのか」ということがあります。Sherpaの開発初期にツイートのデータを活用してどのようなターゲティングが可能か試行錯誤繰り返しました。その結果、現在のツイートエンゲージャーターゲティング機能(特定のツイートにエンゲージしたユーザーをターゲティングして、再度広告配信できる機能)の先駆けになるような「CAT(Campaign Action Targeting)」を開発しました。機能としては非常にシンプルで、指定したツイートをリツイートした利用者のフォロワーのみに対して広告配信ができます。これは、リツイートという行為を有用な情報をフォロワーに届ける行為として仮定して開発しました。

また、同じく開発初期に「Exact Follower(イグザクトフォロワー)」という機能も開発し、指定ハンドル群のフォロワーをテイラードオーディエンスとして作成、保存することができます。Twitterのフォロワーターゲティングと異なる点は類似オーディエンスを含まない、選定時の「フォロワー」を対象にできるということです。

例えば、10代後半向けブランド訴求を目的としたキャンペーンがあるとします。この場合、複数のアパレル雑誌のハンドル別フォロワーを選定し、それぞれのハンドルをフォローしている人のパターンや重複を見極めることにより、当該目的に沿ってピンポイントでターゲティングすることが可能です。重複が多ければアパレルとの親和性が高いという判断もできますよね。こちらの機能は、選定フォロワーの除外も可能です。

Q. ここ最近、導入された機能と効果について教えてください
マリオスさん:「Video Viewer Targeting(ビデオビューワーターゲティング)」という、TwitterのAds API経由のみで提供されている機能です。動画を見た利用者を精査できる機能で「3秒再生」、「50%再生」、「95%以上再生完了」の3つの視聴ファネル毎にアプローチが可能です。弊社としてもお客様にダイレクトレスポンスだけでなくブランディングにも合わせて活用いただけることを目指しています。

特徴としては、ツイートされたビデオの視聴者をターゲティングする方法として、「ターゲティング」という言葉が入ってるため、獲得系コンバージョンを目指す使い方は容易に想像できますが、「ビデオビューワーターゲティング」はそれに限定されず、より上位ファネルで利用する価値もあります。文脈を重視したキャンペーン設計の中で「ビデオビューワーターゲティング」を利用すると、例えば、最初はブランドイメージを前面に出した動画を見せ、3つの視聴ファネル毎に以下の施策が想定されます。

  1. 3秒再生視聴者:より認知を向上させるため別パターンのブランドイメージ動画
  2. 50%再生視聴者:商品のディテール(具体的な使い方など)を訴求する動画
  3. 95%以上再生完了視聴者:商品詳細ページへのリンク誘導

マリオスさん:音楽系大手広告主様でのキャンペーンで「ビデオビューワーターゲティング」を活用していただいた際には、普段のキーワード・ハンドルターゲティングのキャンペーンと比較して、CTRは約30%アップ、CPCが約40%減少できました。

また、プロモトレンドなどを使い動画を、一度に何百万人の瞬間視聴者にリーチできる施策と合わせて、ビデオビューワーターゲティングを使ったブランド文脈の補完、リンク誘導を実現します。また、ブランド認知から視聴者の商品への誘導、コンバージョンまでの一連の行動を促すことも可能です。

三原さん:ブランディングのみに特化するキャンペーンでは、よりブランド文脈をお客様に理解していただくことが重要です。そのためにもう一歩踏み込む施策として、利用者の興味関心の深さ毎にストーリーテリングを考えていくことが必要だと考えています。

Q. Shareable Tailored Audienceついて教えてください。
三原さん:7月13日、「Shareable Tailored Audience(シェアラブルテイラードオーディエンス)」のベータ版の提供を始めました。この機能については、まずは限定した広告主様に利用する予定です。この機能は、今まで広告ハンドル毎に持っていたテイラードオーディエンス群を、他の広告ハンドルにも共有する機能です。

全体像としては、複数ブランドを展開しているナショナルクライアントや、多種多様な雑誌やメディアを運営している出版社などがTwitterのユニバーサルウェブサイトタグを使った広告キャンペーンを展開している場合、そこで蓄積されるそれぞれの「オーディエンス」はお客様にとって共通資産といえます。その各ブランドや雑誌のTwitterハンドル毎に捉えているオーディエンスを、統合した形で利用することができるのがこの機能です。

例えば、アプリビジネス向けには、当該アプリの課金、購買、ログインやインスールなどのイベント毎のオーディエンスを他のアプリのターゲティングに使うことも可能です。

Q.今後Twitterに期待することは?
マリオスさん:Twitterの特徴は、ライブ性や会話はもちろん、なによりも「一瞬でより多くの人々が繋がれる場所」であると考えています。それを、Twitterがよりブランドにとって活かせるようなものを期待しています。例えば季節特有のイベントを予測し、いち早くその瞬間を取り入れるようなマーケティングが実現できるといいですね。

三原さん:私は開発を担当しているので、Twitterの広告プロダクトにはとても期待しています。そして弊社は、広告プロダクトの開発背景や意図を汲んで、それらを市場に届け、フィードバックを集めるのが役割ですし、今後もTwitterをサポートしていきたいです。