イノベーティブな特許契約書について

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木曜日, 2012年4月19日木曜日

Twitter 社の素晴らしい点のひとつは、毎日、驚くほど優れた製品を思いついて、作り上げることのできる才能あるチームメイトたちと働けることです。他社と同様、Twitterでも、発明の多くを特許として出願しています。一方、この特許が将来どのように使われる可能性があるだろうかとも考えます。Twitterの特許が他社の発明を妨げるのではないかと危惧することもあります。そこでドラフトの「イノベーティブな特許契約書」(IPA: Innovator’s Patent Agreement)をつくりました。

IPA は特許権の譲渡に関する新しい方法で、エンジニアやデザイナーが特許のコントロールをできるようにするものです。Twitter は 社員に対して、特許を防御する目的においてのみ使用することを約束します。社員の発明による特許を、発明者の許可無く攻撃的な訴訟に使うことはありません。さらに重要なことは、このコントロールできる権利は特許に付属します。Twitterが特許を他社に売ったとしても、その会社は、特許を発明者の意図の通りにしか使用できません。

現在の業界の状態を考えると、この方針はかなり重要な一歩です。たいていの場合、エンジニアやデザイナーは、自分がした仕事に関連して出願した特許を、取消不能な形で会社に譲渡するという同意書にサインをします。
この同意書により、会社はその特許をどのような形で使うこともできます。特許を売却することもできますし、売却先はそれらの特許をどのような形でも使えるのです。
IPA があれば、社員は自分の特許が武器としてではなく、盾としてのみに使われると確信することができます。

Twitterは今年の後半に IPA を実現しようと考えています。IPA はTwitterのエンジニアたちが過去、現在に取得した特許すべてに適用されます。 IPA の取り組みは、Twitterの中でもまだ始まったばかりで、この考え方が他社にとっても意義があるかどうかをはまだ議論中です。

IPA は github (リンク先は英語)でご覧になれます。このTwitterの新しい取り組みをご覧になり、フィードバックをお願いします。また、皆さんが所属されている会社でも、 IPA について議論をして頂けると幸いです。

もちろん Twitter に入社していただければ、 IPA に賛同いただくことができます。

今週はは四半期ごとに行っているハックウィークの最中です。ハックウィークはエンジニア、デザイナーをはじめとして誰でも参加できるイベントで、通常の業務とは違うプロジェクトやツール開発に勤しんでいます。ハックウィークのゴールは独創的かつクリエイティブなアイディアを引き出し、イノベーションを育むことにあります。このIPAがイノベーションを生み出す上で重要な役割を担うものになりますように。