米国Compete社との共同調査:Twitter モバイルメインユーザー の実態

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月曜日, 2013年2月18日月曜日

Twitterはモバイル生まれ。その大きな特徴である「140文字」という制限は、テキストメッセージやショートメール(SMS)の文字数を考慮したものでした。この長さであれば、誰でも、どこでも、どんなデバイスからも、Twitterを楽しむことができるからです。

今では、スマートフォンやタブレットからTwitterを利用することは世界のどの国でも普通のことになりました。世界に2億人いるTwitterのアクティブユーザーの6割はモバイルの機器からも月に1回以上アクセスしています。今回は、このモバイルからアクセスするユーザーに特徴的なTwitterの使い方があるかを調べてみました。

米国内のユーザーを対象に「モバイルから主にTwitterを利用するユーザー(以下、モバイルメインユーザー)」のツイートへの関与のしかた(エンゲージメント)について調べました。米国Compete社との共同調査で「モバイルメインユーザーはTwitterをより頻繁に利用し、より多くのツイートに反応し、より多くの企業をフォローしている」ことがわかりました。

この結果をTwitterでキャンペーンにどのように活かせるでしょう?いくつかの調査結果から得られるキャンペーンのヒントを考えてみました。

注意)米国でのモバイル事情として、日本で言う「フィーチャーフォン/ガラケー」からTwitterを利用しているユーザーはいません。そのため、ここでいう「モバイルメインユーザー」とは、スマートフォンまたはタブレットからTwitterを主に利用しているユーザーとなります。


1. モバイルメインユーザーはデスクトップからの利用には消極的。ただし、アクセスの頻度は平均的なTwitterユーザーよりも高くなっています

モバイルメインユーザーは、デスクトップよりもモバイルからTwitterを使いたいと考えています。デスクトップからTwitterを使いたい、と考えているモバイルメインユーザーの割合は、平均的なユーザーに対して57%と低い結果となりました。一方、Twitterを使う頻度がとても高いこともわかりました。「1日に数回Twitterを使う」モバイルメインユーザーは平均のTwitterユーザーよりも86%も高いという結果が出ています。

もう一つの注目点は、利用している機器が携帯電話やスマートフォンだけではないことです。モバイルメインユーザーの15%は、Twitterを利用する際に最もよく使うデバイスはスマートフォンではなくタブレットだと答えています。

米国Compete社との共同調査:Twitter モバイルメインユーザー の実態

広告キャンペーンのヒント 1:
Twitterの広告キャンペーンを考えるときは、デスクトップ以外からアクセスしているTwitterユーザーのことも想像しながらキャンペーンを考えましょう。例えば、デバイスによってメッセージを変えてみたり、ツイートを見た後のことを考えてみるなど、デバイス別のターゲティングも「あり」かもしれません。リンク先のページも、デスクトップだけではなく、モバイルにも対応していることが大切です。

2. モバイルメインユーザーは若い年齢層に多くみられます

若い人たちのモバイル機器の普及率を考えると当然の結果ではありますが、「モバイルでTwitterを利用したい」と答えた割合は18〜34歳で52%以上平均よりも高いことがわかりました。ちなみに、モバイルメインユーザーの男女比はほぼ同程度の結果で、統計的な差は出ませんでした。

広告キャンペーンのヒント 2:
モバイルでTwitterの広告を行うときは、ターゲットの年齢層も考慮した方がよいでしょう。モバイルを使っている人の多くが18-34歳の若い人たちであることを考えながら、キャンペーンを企画しましょう。

Twitterではユーザーがフォローしている人や企業などの興味をもとにする「インタレストターゲティング」が使えます。モバイルに広告を配信するときには、モバイルには若い人が多いことを考慮することと同時に、特定の関心がある人たちに話しかけていく、という視点も大切です。

3. モバイルメインユーザーは1日中Twitterを利用しています

モバイルメインユーザーにとって、Twitterは既に生活のさまざまな部分に溶け込んでいます。モバイルメインユーザーが起きた直後にTwitterを使う率は平均的なユーザーよりも157%高く、寝る前に使う率も129%高くなっています(もしかしたら夢の中でもTwitterをしているのかもしれません)。

特に多いのが通勤、通学中の利用です。通勤、通学時にはモバイルメインユーザーのTwitter使用率は、平均的なユーザーの3倍になります。そして、会社や学校についた後も、平均的なユーザーと比較して160%がTwitterを使い続けています。車社会のアメリカでさえこんなに大きな差が出るのですから、日本ではもっと高い頻度となるかもしれませんね。最近は、通勤/通学時に電車の中でスマホを使っている人が本当に増えているのを感じます。

他にも、友人と出かける際には平均的なユーザーに比べて利用頻度が2倍になることもわかりました。ショッピングをする際の利用率も169%と高くなっています。そして、映画を見に行くときには、上映の前後に、なんと301%もよく使うことがわかりました。きっと映画の評判をチェックしたり、感想をツイートしたりしているのでしょう。

米国Compete社との共同調査:Twitter モバイルメインユーザー の実態

モバイルメインユーザーの62%は友人や知人とのコミュニケーションにもTwitterを使っています。待ち合わせ場所に着いたことをツイートで知らせたり、レストランで写真を撮って友達のユーザー名と一緒にツイートしたり。

もちろん、家の中でもTwitterを使っています。66%はTVの前でTwitterを楽しんでいることがわかりました。平均的なユーザーに比べて、テレビを見ながらTwitterをしているモバイルメインユーザーの割合は32%も高くなっています。

広告キャンペーンのヒント 3:Twitterの広告キャンペーンを企画するときは、ターゲットとなる人々がどのようなライフスタイルを送っているかを考えましょう。どこにいるのか、何をしているのか、誰と一緒にいるのか。ツイートするタイミングも大事です。モバイルメインユーザーはデスクトップの前だけではなく、あらゆるところでTwitterを使うということを覚えておきましょう。1日のうちの、あるいは1週間のうちの、どのタイミングでツイートし、ユーザーにリーチすると効果的かを考えましょう。

例えば、退屈なラッシュアワーの真っ最中に、何かしらの刺激を与えるようなツイートはどうでしょう。あるいは、友人と外出することの多い週末のツイートもいいかもしれません。家にいる時も大きなチャンスがあります。モバイルメインユーザーは、手元にモバイルデバイスを持ちながら、ダブルスクリーンでテレビを観ているのですから、テレビと連動したキャンペーンが効果的かもしれません。

4. モバイルメインユーザーはツイートにより強く関係する傾向があります

モバイルメインユーザーは、ただ頻繁にツイートをチェックしているだけではありません。彼らは、自らツイートすることや、企業にエンゲージすることにも積極的であることがわかりました。モバイルメインユーザーは自らツイートすることが57%、リンクをクリックすることが63%、リツイートすることが78%、お気に入りに登録することが85%も、平均的なユーザーより高いことがわかりました。

米国Compete社との共同調査:Twitter モバイルメインユーザー の実態

広告キャンペーンのヒント 4:
モバイルメインユーザーはツイートを拡散してくれます。ユーザーの心に響くツイートを発することで、アーンドメディアとしても高い効果が期待できます。画像や動画などを含めたり、リンク先に誘導するなど、ユーザーのアクションにつながりやすいようなツイートをしましょう。「自分のフォロワーにも教えてあげたい」と思わせることがコツです。

5. モバイルメインユーザーは、企業アカウントに対しても強い興味を持っています

平均的なTwitterユーザーがフォローしている企業の数は5つ以上と言われますが、モバイルメインユーザーは平均的なユーザーに比べ、11以上の企業をフォローしている割合が96%も高くなることがわかりました。さらに、Twitterで広告を見たことを覚えている割合も58%高くなっています。

広告キャンペーンのヒント 5:モバイルメインユーザーのニーズに合うツイートが求められます。リアルタイムだからこそ活きる情報をツイートしましょう。ショッピングをしているモバイルメインユーザーが、店舗で行なっているプロモーションについてのツイートを見て足を運んでくれるかもしれません。銀行での待ち時間にツイートをチェックして、もっと簡単に手続きができないかどうか情報を探していることだって考えられます。役に立つ情報や、スペシャルオファーなど、すぐに行動につながるようなキャンペーンとツイートを考えてみてはいかがでしょう。

まとめ:
消費者がモバイルに接する時間が増えるに伴い、Twitterを使ったキャンペーンの可能性はより大きくなっていると考えられます。モバイル生まれのTwitterは、場所や時間に縛られずに消費者と企業をつなぐプラットフォームです。Twitterというプラットフォームにおけるモバイル広告はTwitterのコンテンツそのものであり、それをうまく活用することによって、広いリーチ、高い頻度、そして強いエンゲージメントを与えられる可能性が高まります。