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公共の場での健全性指標測定

月曜日, 2018年7月30日月曜日

今年の3月に、Twitterの健全な会話を向上するための継続的な取り組みの一環として、Twitterの公共の場での会話の総合的な健全性指標を測定することに貢献し、会話の健全性、公開性、マナーのレベル向上に取り組むことをご紹介しました。また私たちは、Twitterプラットフォーム全体の健全性と利用者の体験の向上のため、虐待、嫌がらせ、健全な会話を損ねるような行為がなくなるようにこの数か月でさまざまな取り組みを導入しました。フォロワー数の信頼性向上に関する変更悪意あるツイート対する新しいシグナルの導入、自動化ルールに対処するための広範な取り組みの共有から安全性、スパム、セキュリティ課題に対してこれまで以上に迅速かつ効果的に対処するためのSmyte社の買収などです。

何かを改善するには、測定することは必要です。会話の健全性を測定するという概念を深く理解するために時間を費やしてきた非営利研究団体のCorticoの協力者の皆さんから着想を得て、私たちはこれがTwitterのためにどう活用できるのか検討したいと考えました。慎重な分析、外部の視点、厳密なレビューを提供してくれる外部の専門家と提携することは、Twitter利用者に説明義務を果たすには最適な方法です。 3月以降、Twitter上の公共の会話の健全性をどのように定義し、測定するかについての提案が世界中から230件以上集まりました。

私たちのチームは一つひとつの提案を丁寧に審査しました。エンジニアリング、プロダクト、マシンラーニング(エンジニアリング)、データサイエンス、トラスト&セーフティ、リーガル、リサーチなど、Twitterの異なるチームからの代表者による委員会を結成し、1回目は各提案を審査し、2人の異なる人物が採点を行いました。2回目に進んだ50件の提案は、それぞれ合計4人の異なる者が審査し、準決勝に進んだ16件は、小規模な専門委員会によってさらに検討が行われました。最終選択をする前には、ビデオ会議で少数の最終候補者のインタビューを行いました。最終的に合計350件以上の審査を実施し、最終候補者の検討を重ねました。これらのプロセスを経て、私たちは2つのプロジェクトに関して素晴らしいパートナーを選ぶことができたのです。

エコーチェンバーとマナーの悪い会話についての分析

ライデン大学政治学助教授のRebekah Tromble博士は、同じくライデン大学のMichael Meffert博士、シラキュース大学のPatricia Rossini博士とJennifer Stromer-Galley博士、デルフト工科大学のNava Tintarev博士、ボッコーニ大学のDirk Hovy博士とともに、このプロジェクトを通じて、Twitter上の政治的議論が当該コミュニティをどのように形成するのかについて、議論が進むにつれて生じる可能性のある課題に関して2つの測定基準を開発する予定です。

ライデン大学のRebekah Tromble博士は次のように述べています。「政治偏向の拡大、誤情報の拡散、いやがらせなどの行為、不寛容さの増加という文脈で、ソーシャルメディア上に発生する非常に困難な課題を効果的に評価し解決するためには、学術研究者やテクノロジー企業がより緊密に協力する必要があることは明らかです。今回の取り組みは、Twitterと外部の研究チームが専門知識を共有し協力して解決に努めるという、重要かつ有望な機会となります」

ライデン大学主導のプロジェクトは、一つにエコーチェンバー(自分と同じ意見の人とコミュニケーションを繰り返すことでその意見が強化される現象)とマナーの悪い対話という2つの重要課題に焦点を当てます。彼らの過去の知見によると、同じような人や視点だけで討論が行われる場合に形成されるエコーチェンバーは、同じ意見を持たない人に対する敵意を高め、怒りを促進することがあります。プロジェクトの最初の測定基準では、人々がTwitter上で多様な視点を受け入れ、それに関心を持つ度合を評価します。

2つ目の注力点は、Twitterでの会話におけるいやがらせなどの行為、不寛容さに大きく着目します。このプロジェクトのチームは、礼儀の規範を破る無礼は問題になる可能性がある一方で、政治的な対話においては重要な役割を果たすこともあるということを発見しました。対照的に、差別的な発言、人種主義、外国人嫌悪などといった不寛容な会話は、本質的に民主主義を脅かすものです。したがって、チームはこれら2つの言動を区別するアルゴリズムの開発に取り組む予定です。

このプロジェクトには、政治学、コミュニケーション、コンピュータサイエンスの橋渡しをする様々な背景と専門知識を持った学者が集まります。4つの大学で働く6人の学者は、社会科学分野に関する深い専門知識と強力な専門技術を組み合わせ、Twitterでの健全な会話の基準を開発し適応させていきます。

Twitter上でのコミュニティ間の橋渡し

オックスフォード大学のMiles Hewstone教授とJohn Gallacher教授のプロジェクトでは、アムステルダム大学のMarc Heerdink博士と共同で、人々がTwitterをどのように使っているか、また様々な視点や背景を知ることで偏見や差別をどのように減らすことができるかを研究する予定です。

オックスフォード大学の社会心理学教授であるMiles Hewstone博士は次のように述べています。「デジタルで接続された世界における重要な社会的課題について、Twitterと協力して調査する機会をとても楽しみにしています。社会心理学からの証明で、異なる背景を持つ人間同士のコミュニケーションは偏見と差別を減らす最良の方法の1つであることが判明しています。私たちはTwitterにおける会話の健全性を測定するためにこの方法をどう活用できるのか、またオンライン上での積極的なやりとりがオフラインの世界にもたらす影響について調査することを目指しています」

このプロジェクトは、グループ間の紛争を対象にしたHewstone教授の長年の研究に基づいて行われます。グループ間のコミュニケーションに、より肯定的な感情、協調的な感情、複数の視点からの複雑な思考と推論が含まれている場合、偏見は減少し、関係は改善されます。これは過去、オンライン上のコミュニティだけでなく、北アイルランドでの紛争後のコミュニティ構築努力など、様々な状況で実証されています。プロジェクトの一環として、一般的に肯定的な感情、協調的な感情、統合的な複雑さに関連する言語のテキスト分類詞を、Twitterでのコミュニケーション構造に適応することになるでしょう。

今後の方向性

Twitterという公共の場での会話の健全性を測定するための綿密で総合的な測定基準を持つことはとても重要なことです。これを正しく行えるよう、提案書をご提出いただいた皆さんに感謝を申し上げます。Twitterはこれら2つのプロジェクト、そして幅広い学術分野から助言やサポートを受け、Twitter上で健全な体験を生み出すために取り組んでまいります。

 

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