イベント

選挙時に気をつけることは?「#私たちの選挙 情報リテラシー101」イベントリポート

金曜日, 2022年6月24日金曜日

投票を行うにあたり政党の政策や候補者の情報は重要ですが、時に誤解を招くような情報に出くわすこともあります。選挙期間を前に、誤情報や偽情報に惑わされず、正しい情報を掴み取るリテラシーを身につけるためにはどうすればいいのでしょうか。

参議院議員選挙の公示を控えた6月21日、Twitter Japanは若者の投票率向上に取り組んでいるNPO法人ドットジェイピー(佐藤大吾理事長)とトークイベント「 #私たちの選挙 情報リテラシー101」をTwitterスペースで開催しました。当日の模様をお伝えします。

このツイートは閲覧できません
このツイートは閲覧できません.

選挙データなどの分析を行うJX通信社データアナリストの衛藤健さん、誤情報の研究を行っている国際大学の山口真一准教授とともに、ドットジェイピースタッフの現役大学生とTwitter Japanの担当者らが、選挙期間における情報への接し方について語り合いました。

出演者(敬称略)

  • 衛藤健  @TakeruEto JX通信社 データアナリスト
  • 山口真一 @iuj_glocom  国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授
  • ドットジェイピー 広報担当者 @dotjp0214 @ILQQIlQTVUT0xch
  • Twitter Japan 公共政策担当者、キュレーション担当者、広報担当者

 

選挙期間の後半に注意

様々な会話データを分析してきた衛藤さんは偽情報あるいは誤情報について、①全くの嘘②事実を曲解したもの③情報自体は間違っていないが出どころが不明のものーーの3種類に分類しました。この中でも選挙時には③が要注意で、「過去の選挙でも、出どころのよくわからない情勢調査の情報が出回りました。もしかしたら本物かもしれないという、非常に曖昧な情報です」と指摘。海外ではある法案の可否をめぐり、投票の結果次第では社会に悪影響が起こるという情報がフェイク画像とともに出回ったそうです。

「選挙期間の後半は特に注意が必要です。選挙期間中はマスメディアが中立性を掲げて踏み込んだ報道をしなくなる傾向があり、余計に真偽不明の曖昧な情報が出回りがちです」と注意を呼びかけ、「幅広い情報に触れて、自分なりにファクトチェックをして耐性をつけていくのが一番だと思います。おかしそうなものを見極める力をつける。発信元にも気をつける。Twitterの認証マークなどはその一助になります」と話します。

Twitterの対策は?

Twitterでは立候補者のアカウントに認証マークを付与したり、選挙時に誤解を招く情報を流すことを市民活動の阻害に関するポリシーで厳しく禁じたりなど、様々な対応を行っています。健全な会話の場、言論の場を保つため、政治広告を禁止しているのもその一環です。Twitter Japanの公共政策担当者は「民主主義の根幹である選挙を特に重視しており、誤解を招く情報に対抗し、信頼性のある情報を提供することを目指しています」と付け加えます。

また、トレンド欄でニュースなどを編成するキュレーションチームの担当者は「誤情報が出回り始めると、それを打ち消すニュースなどのツイートを集めたモーメントを作成し、スピード感を持って対応します」と取り組みを説明。イベントの直前に参院選の投票に関する誤解を招く情報が出回ったことに触れ、それを正した実例を紹介しました。

このツイートは閲覧できません
このツイートは閲覧できません.
このツイートは閲覧できません.

浮動票層の6割が…

誤情報のメカニズムなどを研究する山口さんは選挙時の誤情報の影響について、「ある政党や候補者を強く支持している層の考えは変わらないが、弱い支持層の約6割が政治家に不利な誤情報に接すると考えを変えることが研究でわかりました。弱い支持、いわゆる浮動票というのは人数が多く、この人達の考えを変える意味で、誤情報は社会に影響を与えてしまいます」と警鐘を鳴らします。

政治に関する誤情報は、80%の人が誤っていることに気づかないという研究結果も紹介し、「誤情報は(公開の)ネットだけのものでなく、実際にもっとも多いのは直接の会話やメッセンジャーアプリ内での会話でのやりとりです。誰もが騙されると謙虚に思って検証する癖をつけることが大切です」とします。

情報の偏りを知ろう

若者たちは、どのように情報に接しているのでしょうか。

ドットジェイピーで広報の代表をしている熊本大学3年生の松田史也さんは、「信頼の置けるマスメディアなのか、ファクトチェックをやっているならどういった人が行っているか」などの発信元を確認するようにしています。しかし地元であった選挙では、メディアの誤報に「流されてしまった」と振り返ります。

「自分で実際に調べて誤りに気が付きましたが、誤った情報を周囲に言ってしまい、打ち消すのに苦労しました。若者は都合のいい情報に偏りがちな気がします」と言う松田さんに対して、山口さんは「自分の考えにあっている情報が好きなのは、若者だけでなく、誰もが持つ習性です」と指摘します。

自分の好きな情報だけを見てしまう、似たような情報だけに囲まれてしまう、いわゆるエコーチェンバー。どうやって防げばいいのでしょうか。山口さんは「自分が好きな情報を集めたがる習性があることを自覚することが大切です。今はニュースはポータルサイトで読むことが当たり前になっていますが、すべて並列で表示されています。どこの媒体のどんな情報を見ているのかを意識しましょう」とアドバイス。

発信者として心構えを

ドットジェイピーで同じく広報に関わる福島大学4年の金成未夢さんは、「放射能に関する誤情報、偽情報を鵜呑みにされ、とても困りました」と困惑した経験を語りました。金成さんが気になったのは、情報の発信者としての心構えです。「私自身、SNSで情報発信をすることがありますが、どのような意識、配慮をすべきでしょうか」

「拡散を狙ったり、受けがいいものはデマの元になりがちです」と衛藤さん。「受け手にとって曖昧にならない情報を発信することが大切ではないでしょうか」と答えました。山口さんは、拡散への注意を促します。疑問形の情報が、拡散されるうちにいつの間にか断定にすり替わることがあるといい、「自分で真偽が検証できないことは拡散をしないことが重要です」と力を込めました。

このイベントの模様は、こちらから録音を聞くことができます。

このツイートは閲覧できません
このツイートは閲覧できません.
このツイートは閲覧できません.

参議院議員選挙に関する取り組みはこちらをご覧ください。

https://blog.twitter.com/ja_jp/topics/events/2022/upperhouse-election

このツイートは閲覧できません
このツイートは閲覧できません.