マーケティング

クライシスにおけるブランドコミュニケーション

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木曜日, 2020年3月12日木曜日

新型コロナウィルス(以下、COVID-19)の出現とそれに続く感染拡大以降、世界中でCOVID-19に関する話題が何百万もツイート、リツイートされてきました。COVID-19関連の話題は445/1000秒ごとにツイートされており、#Coronavirus は今では2020年で2番目に多く使用されているハッシュタグとなりました。この情報量は、COVID-19関連の新しいニュースや情報が報道されるにつれて、それらを知りたい、共有したいと考える人々からの膨大なニーズを反映しています。

私たちが直面しているこの事態は前例のないものであることは疑う余地がありません。この事態は世界的なものであり、終わりが見えず、すべての企業、ビジネス、個人にまで影響を及ぼす可能性があります。クライシスの際、人々は助言や安心、情報を求めてリーダーや機関を頼ります。人々はますますブランドの一挙手一投足を見逃さないように目を向けているタイミングです。

そこで、改めてご確認ください。これは皆さんにとっての「マーケティングの絶好の機会」ではありません。私たちは、健康への脅威に皆さんの自社ブランドを関連付けようとしないことをお勧めします。しかし私たちは、この状況が新しい現実であり、私たち自身が深慮を持って乗り越える必要があるものだとの認識を持ちたいと考えています。

また私たちは、Twitterがクライシスでのコミュニケーションにおいて重要な役割を果たすプラットフォームであり、顧客や従業員、そしてより幅広いエコシステムとコミュニケーションを取るための強力なツールとであることを認識しています。今の状況は典型的なクライシスとは言えないかも知れませんが、私たちが一般的に困難な状況下で行っているアドバイスを共有します。

今の企業にふさわしい活動とは何でしょうか? 

自らのブランドを知る

これは、他の企業が何をしているのかを見て、それを真似ることではありません。企業が人々の生活の中で果たすユニークな役割を理解し、それがどのように変化したか、そしてこの危機的状況でどのように顧客を支援し、役立つかを知ることを意味します。また、模範を示して他を導く機会や、ビジネスにとって倫理にかなった正しい行動をとる機会を見つけることでもあります。

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現状を把握する

物事は急速に変化しており、昨日はすばらしく感じたかもしれないメッセージも、今日にはそう感じられなくなるかもしれません。ニュースや会話の内容を注意深く見守り、返信やリツイートを行う前には必ずその文脈を確認してください。そして、時には何も言わない方が良い場合もあることにご留意ください。

現在Twitter上では、COVID-19関連のコンテンツを検索した人々を適切な地域機関(厚生労働省など)が出した正確な情報へと誘導する、検索結果が表示されます。この機能は、64カ国、20言語で実行されています。私たちはまた、検索結果のトップやホームタイムラインに最も重要なコンテンツを押し上げています。

思いやりを持ったトーンを使う

人と同様に、ブランドもまた、場合に応じて文章のトーンに気を配る必要があります。今は、嫌味や皮肉を言うのにベストな時期ではなく、逆に、共感や同情、さらにはある種のユーモアが歓迎されるでしょう。

最も話題になったCOVID-19関連ツイートの一つが、文章のトーンの重要性を物語っています。米国の俳優・コメディアンであるクメイル・ナンジアニによるそのツイートは、COVID-19に対して脆弱といわれる人々のことを思いやる気持ちを人々に気づかせました。それをどのように行うのがよいでしょうか?最善の方法は、人々や顧客の言葉に耳を傾け、それを自社のコピーや文章のトーンに適切に反映することです。

顧客行動の変化を予測する

将来的に隔離や自宅待機をするよう求められる可能性があり、顧客ニーズや企業ビジネスとの関係性に影響を与えるであろうさまざまな行動の変化が予想されます。

ご存知のように、人々が社会と距離をとろうとしているなか、新しいジェームズ・ボンド映画の公開は、当初予定されていた4月から11月に全世界での公開延期を発表しました。また、航空会社は現在の旅行状況を反映して、追加費用なしでフレキシブルチケットを提供しています。

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その他、中国の事例から予想できる、消費者行動の変化に以下が挙げられます:

  • eコマースへの移行が進行。小売ブランドの場合、変化する顧客ニーズや顧客とのつながりを支える準備ができているかを確認し、この領域に率先して取り組みましょう。
  • ライブ配信の大ブーム。イベントがキャンセルされ、国内の小売店が閉鎖されたため、人々や企業はライブストリーミングに頼るようになりました。この現象が他の場所でも起こる可能性は高く、計画済のライブイベントの無観客対応の拡大や、顧客とのつながりにおいて、ライブ配信の実施がどのよう手助けになるか考えてみてください。ぜひ、media.twitter.com をチェックして、TwitterのLive Brand Studioがどのように役立つかご確認ください。

人々が今必要としているものは何か?

以下は、人々が危機の際に必要とする主要項目であり、現在のような場合において特に重要となるかもしれません。これらは、ブランドが顧客と機能的、あるいは感情的なコミュニケーションを実現する手助けにもなり得ると考えています。

正確で信頼できる情報

危機の際、人々は信頼できる情報を求めています。Twitter上の認証マークがついたアカウントは、認証マークがついていないアカウントよりも約2.4倍もCOVID-19の会話に参加する傾向が高く、COVID-19関連のツイートの75%は実際にはリツイートであることが分かっています。つまり、危機の際に情報を共有する主な方法は、リツイートによるものです。

もし自社が、曖昧さを払拭したり、人々を落ち着かせる助けになると思われる情報を持っている場合は、ぜひ共有してください。例えば、小売/eコマース業のブランドは、衝動的な買い占めを軽減するために株式の最新情報を一般の人々に伝えるといった方法があります。自社や従業員に影響を与える重要な情報がある場合(ウイルスの感染など)、その情報を公開して共有することを検討してください。

 

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この不確実な時期のポリシー策定や従業員サポートに関して公表すると、模範として他企業に道筋を示すことができます。

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カスタマーサービスとサポート

ビジネスの性質上、必然的に一部のブランドは、COVID-19の影響をより直接受けることとなります。観光業(航空会社/クルーズ/サービス/観光)と金融機関は、これまでにCOVID-19と最も強い関連性が確認されています。

もしあなたのビジネスや顧客にCOVID-19が直接影響を及ぼしているなら、顧客とサポートチームとのコミュニケーションにTwitterを活用してみてください。そして皆さんが取り組もうとしていることを多くの方に知ってもらいましょう。

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顧客が抱える不安に耳を傾け、理解をし、可能な限り対処することが重要です。不確実な時期に最善を尽くしていることを実証することで関係性が今まで以上に向上します。直接影響は受けていなくとも、ブランドがユニークなポジションやサービスを持っている場合、それらを共有することを検討してみてください。例えば、健康/福祉のヒント、瞑想/リラックスのためのコンテンツなどが挙げられます。

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娯楽と気晴らし

毎日COVID−19関連のニュースで圧倒されるような場合は、ちょっとした気晴らしや娯楽が大いに役立つかもしれません。

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現実には、平均的なTwitterのタイムラインは、ニュース、情報、興味関心がミックスされています。実際、1月1日以降、COVID-19関連のツイートはTwitter上で共有されたツイート全体のたった1%に過ぎません。

言い換えれば、人々はCOVID-19の最新情報とは別に、選挙、ニュース、スポーツ、テレビやエンターテイメント、日常の笑いも同時にフォローしています。コピーや文章のトーンを思慮深いものに努めるといいでしょう。また、COVID-19と関わるよりも、ブランド自体のパーパスやミッションに忠実であることが大切であることを心に留めておいてください。

コミュニティとポジティブさ

人間である私たちは、本能的につながりを求めています。社会との距離を生み出すウィルス対策は、保護と安全をもたらす一方で、個人、地域社会、世界全体に大きな影響を与えています。私たちは、自宅隔離に直面した中国で、心を動かすつながりが生まれた瞬間を目にし、現在のような状況下でのつながりとポジティブさの重要性を再認識しました。

また私たちは、COVID-19関連以外のポジティブなストーリーが人々の注目を集めているのを目にしています。現在のような状況にもかかわらず、ポジティブなことは必ず起こるものなのです。ブランドは、それが適切である場合、そのような感情を揺さぶる瞬間とつながり、称え合うことが求められているかもしれません。これは、#IWD2020(国際女性デー2020)からスポーツ、テレビの初回放送、文化まで、さまざまなイベント、トレンドなどのできごとに当てはまるでしょう。

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このような時期におけるコミュニケーションでは、1)Twitterでブランドとつながる人々の気持ちを高揚させるポジティブなストーリーを共有、2)ブランドが語ることのできるユニークなポジティブなアイデアを考える、3)皆さんがお持ちのコミュニティをTwitter上にも持ち込んでみる、といったことを検討してみてはいかがでしょうか。

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