ベストプラクティス

Twitter活用最前線:コンテンツの巨人の羅針盤

投稿者 Twitter Marketing
日曜日, 2018年2月25日

マーケティングに携わるさまざまな方に、Twitterがどのように企業のマーケティングに活用されているかを広くお知らせするために、企業の皆さんを直接取材します。Twitter活用の効果のほか、担当者ならではの考えや戦略を中心にお話を伺いたいと思います。今回は、日本テレビ放送網株式会社さんにお話を伺いました。   

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番組「ベストアーティスト」における皆さんの役割について教えてください。

中村さん:私と長島は、テレビリモコンのdボタンを押して表示するデータ放送の活用促進やSNSとの連携などの主にデジタル面の施策を通して、番組視聴率への貢献を図っています。岩崎は、番組制作担当として今回のTwitterなどSNSを活用した裏配信企画の演者の皆さんの調整、番組本編との連携を担当しました。

長島さん:デジタルの活用でいえば、まだやり方や改善点など伸びしろはあると思います。私は、ドワンゴから出向しており主にウェブプロモーションを担当しています。テレビの仕事で個人的に思うところでいうと、デジタルに関わる施策でいえばまだかなりチャレンジできることはたくさんあるのでは、と感じています。例えばセカンドスクリーンといえば比較的簡単なイメージがありますが、権利関係もしかりリスクマネージメントなど組織内での指さし確認が必要です。今回、番組の裏配信を行なってみて、権利関係や各種調整事項をクリアにしておくことの重要性は肌で感じました。

キーワードありきではなく、組織や体制づくりがやはり先決であるということですね。

長島さん:はい。それは「べき論」ではなく、日本テレビが誇るコンテンツのパワーをさらに伸ばすための重要な要素だと思うからです。このパワーがデジタルときちんと融合できたときに素晴らしいものができると信じています。また、それがもしかしたら今回のベストアーティストのデジタル施策実施における大きなテーマだったのかなとも思います。

 

中村さん:テレビ局はコンテンツを放送することがメインなので、デジタル戦略の重要な要素としてどのように放送のリアルタイム視聴に集客するかということが求められます。特に若年層でテレビを持っていない人や「情報入手はスマホが中心」というテレビを見ていない人が多いことは大きな課題です。そのような人たちにどのようなアプローチがあるかを社内では実験的に取り組ませてもらっている側面もあります。最終目的はテレビを見ていない人に対しても、テレビ以外の場所で番組を知ってもらう機会を増やし、視聴に繋げることです。

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実際、課題を一緒に乗り越えていくしんどさみたいなものはありましたか。 

中村さん:しんどさというものはなく、年々、デジタル戦略の必要性や重要性は番組制作の方も含めて意識として高まってきていると感じています。番組の企画の早い段階からデジタル施策を考えるというところまできていますし。

岩崎さん:テレビを見てない人、持っていない人は思っている以上に多いと認識しており、制作サイドも十分理解しています。しかし、番組をずっと作ってきている人間にはそれを解決する方法がどうしてもわからない。番組づくりに関わる目の前の仕事にどうしても集中しないといけない。

そんな時に、さまざまな部署をまたいでアイデアが出てくることやそれを実行に移すことに意味があると思います。協働で進めていくこと自体にとまどいは全くなく、逆に「どうしたらできるのか」ということをみんなで導きだすことが正しいと思います。チーム全体で専門知識を補い合って進めていくイメージですね。

長島さん:今回私が嬉しかったことが、制作サイドの皆さんが番組を作っている段階でコンテンツもデジタル戦略チームに共有して頂きながら一緒にプロジェクトを同時並行で進められたことなんですね。キャスティングや中身の検討と同時にデジタル施策も考えられた。これって、すごくよいことなんですよね。早い段階で別々のものが横串で繋がっていって、同じ目標に向かって収斂されるということは大きな意味があります。

中村さん:デジタル戦略や施策を進める上で大切なポイントは、まさに長島が言ったようにオンエアへどのような影響をあたえるか、を課題としてデジタルチームと番組制作チーム側が一緒に進んでいくことなんですよね。dボタンの活用がうまくいったり、一連の施策それぞれがうまく回遊できるような関係性で配置できたり、結果としてとても満足できるものでした。

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ベストアーティストの企画で気をつけた点を教えてください。

中村さん:以前から番組裏で実況するというアイデアは出ていたのですが、音などの権利関係をクリアにすることや撮影体制など検討すべきものが多く実現できませんでした。そのような経験も踏まえ、今回はPeriscopeやその他SNSツール使ってアーティストによる裏配信ができました。早い段階で課題を洗い出し認識をそろえることをまず重点的に行い、それから一つひとつの課題を順番にクリアしていきました。

長島さん:裏配信をうまく回す人選もとても気をつけた点ですね。私は、ニコニコ動画での番組制作経験をもとにネットの通例を理解していたり、アーティストとの橋渡しの両方がうまくできる、かつ音楽に詳しい人じゃないと務まらないと感じていました。それを社内で協議した結果、古坂大魔王さんがよいのではという結論に至りました。番組のオンエア視聴が目的である一方、Twitterのタイムラインはコメントが速く流れるので適切なタイミングで適切なコメントを生で拾えてそれをオンエア視聴に繋げられる、いわばリアルタイムの循環型コミュニケーションを行えるかどうかが鍵でした。

中村:コメントの話でいうと、好意的なコメントはとても多かったです。押し付けがましくないようにトンマナを設定したのと、裏配信といえどオンエアを見ながらコメントするという環境がよかったのかなと。こだわったのは、テレビとは違うネットならではの柔軟さや「ゆるさ」を持てる場を提供したことです。また、「オンエアを一緒にみるとさらに楽しくなる」という流れをつくり、両方見ながら楽しめるということが利用者の皆さんにも理解・共感してもらえたのではないかと思います。

岩崎さん:制作側から見たこのネット文脈やゆるさだと言われる「コメントがなくて無音状態が続くこと」はテレビだったらありえないことなんですね。例えばテレビは1分1秒まで細かく全部決まっているのに、この裏配信ではアーティストがオンエアに向かっている最中、何も言わない状態を敢えて許容するということに最初は驚きました。私たちも日々インターネットは使っているので、そのようなことは感覚的には理解できるのですが、経験則として今までなかった経験なので、今後はこのようなことも覚えていくべきだと振り返っています。

当事者として、知識や聞いた話ではなく、実際に目の前でネットはこういうものでよいんだということを直に学べたことが大きかったです。次回はこれを踏まえて、ここまではネットだったら許せるよねとか、あとテレビのきっちりした部分との相乗効果をもっと出していくことを勉強すれば、面白くなっていくのかなと思います。

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中村さん:テレビのオンエアは本当にきっちり決まっているので、ネットのゆるさの可能性を番組制作の方々にも理解していただいて進められたことがよかったです。

岩崎さん:今回、ディレクターがネット文脈をわかる人だったので、それを信じて企画を進められた部分もありますね。

長島さん:そういう意味では、私は逆にテレビのきっちりしたことができなかったりするのですが(笑い)、ネットの文脈を啓蒙し理解してもらえそうな表現の仕方には多少自信があったんです。本当にその部分は任せてもらってうれしかったです。また、アーティストや演者の皆さんがストレスなくどんなことでも臨機応変に進められるように調整してもらった岩崎の力もあるのかなと思います。

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結果としてはオンエアの若年層割合も過去と比較して非常によいものでした。私たちが信じているネット上の施策を通してテレビのよさを吸い上げて、その結果として視聴率への貢献に繋がったのかなと。裏配信の現場でも、会社内の役職者クラスの方々が見守って、こういうやり方があるんだと体感してもらったことが今回良かったことの一つでもありました。

中村さん:音楽番組の場合、出演アーティストの数が多く歌以外の面になかなか時間を割けないことが多いので、「歌以外のあのアーティストの一面を見たい」というニーズも多いと聞きます。今回アーティストの普段(テレビ)とは違う面をネット上で表現することができ、番組自体により奥行きを出すということができたのではと感じています。

岩崎さん:今はタレントさんの方がSNSを使ってアピールすることに長けており、当たり前になってきています。つまりテレビ局側よりうまい場合が多いと。ファンが見てくれるんだったらネットをフル活用するという動きってすごくわかります。

Periscopeを裏配信のために使ってみていかがでしたか。

岩崎さん:画質の面でいうと見ている人が居心地が良ければ、高画質や低画質ということにこだわらなくてよいと思います。当然、テレビでは今まで高画質に慣れている人に撮った動画を差し込むと、ちょっと驚きます。ただネットではそこまでの違和感はないのかなと。裏配信ではテレビっぽい作り込みをしようとは思いませんでした。

中村さん:あえてスマホで撮影した映像を配信してみるということも面白いかもしれませんね。アーティストの皆さんをより身近に感じる映像になるのではないかなと思います。テレビでは見られないコンテンツになりえますしね。裏配信とテレビを両方見ていると、知り合いがテレビに出ているような錯覚に陥って面白かったです。

今後の展望についてお聞かせ下さい。

中村さん:今後の具体的なことはまだ決まっていませんが、会場内を移動しながらの裏配信というのもアクセントがあって面白いですね。

長島さん:作り方でいうとワンカメの定点だけじゃなく、スマホも活用してみるのは手だと思いますし、テレビでは見られない映像という部分では付加価値に繋がり、新しいチャレンジにもなりそうですね。観客席から見る風景等なども面白そうですが、タレントさんや音などの権利関係がクリアすべきこともあります。ただ、そのような制約がある中でもいろいろやれることがあるのではと思います。

中村さん:裏配信は17組のアーティストに出演いただき、そのトークの内容だけでとても充実した内容になっていました。逆に視聴者のコメントとかけあったり、何もしない時間をあえて作ったりと、ネットならではの余白をうまく活用できるとよりよいですね。

岩崎さん:今回が1回目だったので、中身も然り、裏の導線だったりする環境自体をこうすれば改善すればよいんだということがみえてきたので、その課題を一つひとつクリアしていければよいですね。そうすれば、柔軟にもっといろんな話が聞けるし、台本がないからこそどこで話が膨らむからわからない面白さを楽しめるのではないでしょうか。視聴者の皆さんが、テレビでのパフォーマンスを見て、次にその人となりを裏配信で見るような、もっと見たいという気持ちをもっともっと大切にしていきたいです。

長島さん:日本全体を見渡すとリアルタイムで番組を見られない地域の人がいる中で、このネット中継があってよかったという意見も裏配信のコメントの中にはありました。テレビができないところをこのようにカバーできるんだと実感しました。今後もテレビコンテンツの価値を保持しながらデジタル戦略チーム一同、互いに切磋琢磨して面白いコンテンツやコミュニケーションの手法を作り上げていきたいです。

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